行政視察レポート 次世代育成について

                               真野 栄治

 今回は子育てプランに於いて進んでいると評価されている岩手県の宮古市を視察した。

              

総人口は約6万人、20才〜29才の人口比率は高山市が9.79%に対し、8.82%と出稼ぎ傾向は高山市より高いと言える。しかしながら、出生率は17年で1.67と高い水準である。また世帯員数は2.57、離婚率は52%と決していい数字とは言えない。

 市の担当者にこの出生率と裏腹の離婚率などの背景を聞いてみたが、把握はしきれていないが、消費者金融の借り過ぎによるグレイゾーン金利の被害者が、それが原因で離婚に至っているケースは多いとの話しがあった。

 ではなぜ宮古市は出生率が高いのか?意見聴取などの統計をとった訳ではないので、正確な事は言えませんが、私の推測するに、一番は市民の意識向上ではないかと考えます。

宮古市長が医者と言う中で、 厚生労働省の『少子化社会を考える懇談会』に唯一の自治体代表として市長が子育てに対する国の予算配分が少ない事を強く訴えられ、次世代育成支援対策法に基づく地域行動計画策定モデル市町村に指定された事により、市民にもその重要性が伝わり、『子供は多く育てなければ』と言う意識が他地域以上に浸透しているのではないかと考えます。

 予算配分面を見ても、児童の医療費無料化、保育料の減額などは高山市の方が優遇している部分が多いので、高山市の課題としてはいかに市民の意識の向上していくか?と言う事ではないかと考えます。

 

また、視察施設として、駅前のデパートの5階を貸し切って社会福祉協議会の運営による『つどいの広場すくすくランド』を見させてもらいました。

             

 平日の木曜日の午前でしたが、十数人の親子が利用していました。

週末だと50組位の親子が利用するそうです。

             

           

高山市内でもよくある民間のデパートの一部を子供の遊び場に開放している感じですが、

そこに、育児相談や市内の幼稚園情報、ゆずります情報、育児イベント情報などが掲載されており、買い物のついでにちょっと寄ってみようか?と感じさせる、親子で訪れやすい環境になっているのが特徴かもしれません。

 しかし、デパートのワンフロアを借りている為、年の賃借料が620万円と言うのが問題だそうですが、市の子育てに対する意欲が感じられました。

 高山市においても『よって館』などの取り組みもありますが、もっと親子で気軽に訪れやすく、育児相談や親どうしのコミュニケーションの取りやすい環境をいかにして作っていくか?と言う事が課題だと感じました。

 また、子育てにおいてどこの市でも言える事は小学校に行くまでは『福祉』、小学校へ通うようになると『教育』、また学校授業は『教育』、放課後の預りは『福祉』と言う、縦割り行政がさまざまな部分で問題の押しつけあいが起こりやすくなっているのではないかと思います。

 子育てしている親への教育、将来親になる中高生への育児指導や『子供を生み育てる事の大切さ』の教育、人類としての子孫繁栄の使命、結婚しない事が社会に与える悪影響、離婚が子供と社会に与える悪影響、結婚生活を上手にする手法など、福祉以外の部分での市民、国民の意識向上、教育活動が必要なのに、そう言った事は『自由』と『わがまま』のすり替えによりいっこうに進まない現状が日本の悲劇である。

 この課題に思い切った切り込みを行なう勇気と努力が、またそれを支える市民の意志統一が欲しい・・・・・。

 また、田舎で育って都会で働いて税金を払う構造からしても、出生率の高い地方が将来を担う子供たちを育てている事は間違いなく、税の地方格差は是正せねばならない。